宿に帰って自分の所持金を全て調べた。山の中に入ったら日本円の両替は難しかろうと思い、デリーで大金を両替していたのだ。
結局のところ、私の持っている500ルピー札はみんなガンジーさんの絵の入った新紙幣だった。 その後、両替したときも100ルピー以下は旧札が混じるモノの、500ルピーの旧札はついぞお目にかからなかった。 それにしても、インドのお札。 電化製品や食料品のパッケージ、道路などのインフラなど、粗悪な品質なモノで溢れているのに、この質の良さは一体なんなのだろう? 不思議に思ってはいたのだが、帰国後、とある本を読んで謎が解けた。 インドの新しい紙幣印刷機は日本製だったのだ! 世界の200カ国あまりのうち、自国で紙幣を印刷しているのは日本を含めたったの60カ国程度(日本は当然として、インドも自国印刷組)。 外国で印刷をすると、偽札が出回る可能性が高いから先進国は特にそうである。 が、どういうワケか、印刷機はスイスにあるグローバル企業のほぼ独占市場なのだそうだ。 なんせお金の事である。 慎重になるのは当然のことで「アメリカが使ってるなら間違いないだろう・・・」などと大国の右にならう国があったり、はたまたこのスイスの企業がライバル企業を買収したりして、他の企業が出て来れなかった。 しかし、独占であるが故に、印刷機の部品不足、故障の対応の遅延、機械の高騰などと、問題が噴出。 その点を日本の大蔵省お抱えメーカー(小森コーポレーションという)が正攻法で突き、最終的にこのスイスのメーカーと一騎打ちの末に、落札!(実際には、ルピーの下落などの憂き目に会い、両者で1工場ずつになったそうだが)紙幣印刷の世界ではセンセーショナルなニュースだった。 そして、この実績がモノをいい、小森コーポレーションには他国からも発注が舞い込んで来ているという。 そりゃー、当然でしょう。アメリカドルと日本のお札を並べて見れば一目瞭然である。 やっぱり、日本の技術ってすごいのだなぁっっ。 「インドのお金ってさー。日本のメーカーの印刷機を使ってんだってさー」 気が付いたら、誇らしげに自慢していた(←単純バカ。お前が作ったワケじゃないだろう!)。 いや、インド人も知らないことを知ってしまったから自慢したくなったのっ。 そして先日、再び渡印した私の目の前で、そいつは日本人のおばちゃんに 「インドのお札は日本の機械で印刷されているんだよ!」と自慢していた。 ふっ。私から聞いたネタのくせに!と鼻で笑いたくなったが、私が読んだ本の著者も私を鼻で笑っているだろう。 目くそ鼻くそ。 |